カテゴリー別アーカイブ: 新着情報

3月11日東京高裁判決を受けての要望書

2022 年 3 月 19 日


内閣総理大臣 岸田 文雄 様
厚生労働大臣 後藤 茂之 様
法務大臣 古川 禎久 様
DPI 女性障害者ネットワーク
代表 藤原 久美子


3 月 11 日東京高裁判決を受けての要望書


私たち DPI 女性障害者ネットワークは、1986 年の設立当初から、優生保護法撤廃を求めてきました。また、同法を背景とする、障害女性の子宮の摘出をやめるよう、抗議を続けてきました。障害女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利:第 5 次男女共同参画基本計画/内閣府より、以下同)が実現するように、他の女性団体とともに、厚労省へ意見書を提出するなどの活動もしています。

2022 年 3 月 11 日、東京高等裁判所(平田豊裁判長)は、請求を棄却した一審判決を覆し、国に対し優生保護法被害者である控訴人に対する損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
2 月 22 日に出された大阪高等裁判所に続く、2 例目の原告勝訴判決であり、国の優生保護法の被害に対して賠償を認める判決を強く支持します。
東京高裁判決は、旧優生保護法の立法目的が差別的思想に基づくものであって正当性を欠く上、目的達成の手段も極めて非人道的なものであり、憲法 13 条及び 14 条 1 項に違反することは明らかであり、厚生大臣は、違憲・違法な優生手術を積極的に実施させていたとしました。
被害者の多くは、「不良」な子孫を持つことが防止されるべき存在として差別を受けた上、強度の侵襲を伴う不妊手術を受けさせられ、二重、三重にも及ぶ精神的・肉体的苦痛を与えられたものであること。
身体の拘束や欺罔等も許容し、被害者が優生手術であることを認識しづらい構造的な仕組みを構築、平成 8 年改正においても、優生条項の違憲性について明確に言及せず、その後も適法であるとの見解を表明して、被害救済のための措置を執らなかったことをもって、憲法より下位である民法の除斥期間を適用することは、憲法 17 条で保障された国民の権利を損なうことになるとしました。

除斥期間の起算日を、一時金支給法が成立した 2019 年 4 月 24 日の施行日から 5 年間の猶予期間を設けるべきとしたことも画期的であり、これを適応すれば、現在全国で提訴している被害者たちは、全員が対象となります。
そして裁判長は最後に、子どもを産めない身体にされたからといって、人としての価値が低くなったものでも、幸福になる権利を失ったわけでもなく、子どもをもうけることが出来ない人も、個人として尊重され、ほかの人と平等に、幸せになる権利を有すること。
子どもをもうけることのできない人たちに対する差別を助長することのないよう、報道などの際にも十分留意すること、差別のない社会を作っていくのは、国はもちろん、社会全体の責任だとの考えを述べました。

障害のある女性たちは、この法律で奪われた性と生殖に関する健康と権利を、今なお否定されがちです。
本判決が、障害女性の性と生殖に関する健康と権利を含むすべての尊厳を取り戻し、優生思想のない社会に向けた大きな一歩となるよう、国が上告せずこの判決を確定させることを、私たちは強く求めます。
国は本判決を重く受け止め、まだ声を上げることのできない方たちも含め、被害者に真摯に謝罪すべきです。そして、一時金ではなく賠償としての補償を行うための法律を策定し、被害の更なる調査、二度と同じ過ちを繰り返さないための検証を行い、優生思想のない社会にするための施策を講ずることに取り組むべきです。
ただどんなに謝罪と損害賠償を受けても、被害者の身体が元に戻るわけでありません。
しかし、すでに高齢となった原告たちに、これ以上心身共に大きな負担となる裁判を強いることだけは、止めてください。全国で25名の原告が提訴しましたが、すでに 4 名の方が亡くなられました。被害者に一刻も早い謝罪と損害賠償が望まれます。
国は上告を断念し、本判決を確定させ、各地の裁判を早急に終わらせることを強く求めます。

以上

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障害のある女性に係わる0歳児遺棄事件に関する要望

「障害のある女性に係わる0歳児遺棄事件に関する要望」を、厚生労働大臣、北海道知事、北海道檜山振興局長、江差町長に宛てて、2022年3月12日に、DPI女性障害者ネットワーク、DPI日本会議、しあわせなみだ、DPI北海道ブロック会議の連名で提出しました。

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大阪高裁判決を受けての声明

DPI女性障害者ネットワークは、「大阪高裁判決を受けての声明」を2022年2月28日、
内閣総理大臣、厚労大臣、法務大臣宛に提出しました。

2022年2月28日

大阪高裁判決を受けての声明

DPI女性障害者ネットワーク
代表 藤原 久美子

私たちDPI女性障害者ネットワークは、1986年の設立当初から、優生保護法撤廃を求めてきました。また、同法を背景とする、障害女性の子宮の摘出をやめるよう、抗議を続けてきました。障害女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利:第5次男女共同参画基本計画/内閣府より、以下同)が実現するように、他の女性団体とともに、厚労省へ意見書を提出するなどの活動もしています。

2022年2月22日、大阪高等裁判所第5民事部(太田晃詳裁判長)が大阪地裁判決を覆し、国に対し優生保護法被害者である控訴人らに対する損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
優生保護法の被害に対して初めて賠償を認める判決を強く支持します。
高裁判決は、旧優生保護法が、特定の障害や疾患のある人を一律に「不良」と断定したことは、非人道的かつ差別的で、個人の尊重という日本国憲法の基本理念に照らし是認できないとしました。子を産み育てるか否かについて意思決定をする自由及び意思に反して身体への侵襲を受けない自由を、明らかに侵害しており、正当化できるものではなく、憲法13条、14条1項に反し違憲であるとしました。
また、子を産み育てるか否かについて意思決定をする自由は、性と生殖に関する健康と権利も保障することであり、この権利を否定した旧優生保護法は性と生殖に関する健康と権利にも反するものであったことも認めました。

障害のある女性たちは、この法律で奪われた性と生殖に関する健康と権利を、今なお否定されがちです。
そして優生保護法の被害に対し、初めて控訴人に除斥期間を適用しないとして、賠償を認めた判決を強く支持します。さらに国際人権規約においては「強制不妊手術に時効は適用すべきでない」とされており、今回の判決はこれまでの地裁の判決を覆し、「除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく正義・公平の理念に反し」ているとして、初めて除斥期間の適用除外を認めた点で画期的です。
本判決が、障害女性の性と生殖に関する健康と権利を含むすべての尊厳を取り戻し、優生思想のない社会に向けた大きな一歩となるよう、国が上告せずこの判決を確定させることを、私たちは強く求めます。

国は本判決を重く受け止め、まだ声を上げることのできない方たちも含め、被害者に真摯に謝罪すべきです。そして、一時金ではなく賠償としての補償を行うための法律を策定し、被害の更なる調査、二度と同じ過ちを繰り返さないための検証を行い、優生思想のない社会にするための施策を講ずることに取り組むべきです。
ただどんなに謝罪と損害賠償を受けても、被害者の身体が元に戻るわけでありません。
しかし、すでに高齢となった原告たちに、これ以上心身共に大きな負担となる裁判を強いることだけは、止めてください。全国で25名の原告が提訴しましたが、すでに4名の方が亡くなられました。被害者に一刻も早い謝罪と損害賠償が望まれます。
国は上告を断念し、本判決を確定させ、各地の裁判を早急に終わらせることを強く求めます。

以上

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優生保護法被害訴訟の集会案内

2022年2月8日、開催予定の「優生保護法被害訴訟の集会案内」チラシを掲載します。

オンライン参加も可能ですので、是非ご参加ください。

NIPT等の出生前検査についての要望書を提出しました

DPI女性障害者ネットワークは「NIPT等の出生前検査についての要望書」を2021年8月21日、NIPT等の出生前検査に関する専門委員会に提出しました。

2021年8月21日
NIPT等の出生前検査に関する専門委員会 座長 福井次矢様 構成員の皆様

DPI女性障害者ネットワーク
代表 藤原久美子
NIPT等の出生前検査についての要望書

私たち「DPI女性障害者ネットワーク」は1986年に発足し、ゆるやかなネットワークで障害女性の自立をめざし、社会に向けて意見を発信してきました。NIPT等の出生前検査についても、障害をもち女性である立場から、考えてきました。
「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」が2021年5月に出された「報告書」は、「Ⅵ 出生前検査についての基本的考え方」②に、「ノーマライゼーションの理念を踏まえると(中略)出生前検査をマススクリーニングとして一律に実施することや、これを推奨することは、厳に否定されるべきである。」とあります。これはとても重要であると思います。
出生前検査の技術が開発される背景に、障害に対する否定的な考え方があることは誰も否定できないでしょう。NIPT等の出生前検査の存在が、“子どもをもつ人は胎児の障害のあるなしを調べた上で、産むか産まないか選ばなければならない”といった考えを方を、社会に広めるのではないかと懸念してきました。
また、妊娠、出産、生まれた子の健康は、カップルがともに取り組む問題ですが、女性により多くの責任があるとみなされがちです。検査の存在が、健康な子を産まなければならないと女性を駆り立て、それ自体が女性を苦しめるおそれがあります。さらに、障害への差別・偏見が強く残るこの社会では、胎児の問題の指摘は、妊娠を継続するかどうかの判断に影響を与えます。陽性との結果を受けとった多くの人が中絶の選択に向かうなら、実質的なマススクリーニングになってしまうことは、想像にかたくありません。

出生前検査によって胎児の治療ができる場合があること、障害をもって生まれる子を迎える準備ができることも承知しています。しかし障害への偏見が強い中で、治療の方法がない疾患を対象とする出生前検査は、妊娠を継続しない決断を女性に迫る圧力になり得ます。私たちはそのような検査のあり方に、反対する立場です。
しかし、NIPT等の検査が今後も行われていくことが避けられないのであれば、「報告書」の基本的考え方が実現されることを強く願うものです。検査をマススクリーニングとして一律に実施することや、推奨することは否定されるべきです。「Ⅶ 出生前検査に関する妊婦等への情報提供」は、その点からたいへん重要です。「Ⅹ NIPT に係る新たな認証制度」で、「出生前検査認証制度等運営機構」の構成員に患者当事者団体が入ることも、重要であると思いました。

「報告書」にはまた、「Ⅳ 出生前検査に係る倫理的・社会的課題」で、「滑りやすい坂」の懸念が専門委員会で共有されたことも書かれています。疾患や障害が悪いものであり、それらを避けるために子どもを検査で選ぶべきだとする価値観が社会に定着することへの危惧は、私たちも強く抱いているものです。この危惧を現実のものとしないためにも、情報提供のあり方がたいへん重要であると考えます。
情報提供が、妊娠・出産・子育て関わる妊婦やその家族の不安や疑問に対応する支援の一環となり、私たちの社会が、疾患や障害は悪いものだという偏見から解放されることを願って、次のことを要望します。

1.「逸脱モデル」からの解放となる情報を提供してください
妊婦はさまざまな不安をかかえており、産み育てることに自信のある妊婦さんはいません。検査について、対象となる疾患について、医学的に正確な情報は必要ですがそれだけで不安は解消されません。どのような立場に立って情報提供を行うかが大切です。疾患や障害を正常からの逸脱、社会的にも望ましくないととらえる考え方(いわゆる「逸脱モデル」)を脱し、疾患が胎児のすべてではなく一側面であることを前提とする情報を、提供してください。「障害者権利条約」は、疾患や障害によって生きづらさがあるとすれば、その解消には、社会の側がもつ問題を解消する必要があるという「社会モデル」を打ち出しました。NIPT等の出生前検査に関する情報も、この立場に立って提供下さい。

2.実際にその疾患をもつ子どもを育てている親の経験を提供してください
「報告書」が、19頁で指摘しているように、疾患のある子どもの子育てについて、その実際を知る機会は、妊婦にとって最も必要なもことの一つです。そのために、親がどのように子どもと暮らしているのか、日常生活のレベルでの具体的な情報にアクセスできるようにしてください。
子育てをしている障害のある母親、父親もロール・モデルになるでしょう。自身が障害をもち障害のある子どもを育てている人たちもいます。障害がある人はよい母親・父親にはなれないという根深い偏見に抗して、子育てをする経験で培った、さまざまな知恵や工夫をもっています。それらは、一般の人たちにも、産科医、小児科医をはじめとする医療専門職にもほとんど届いていませんが、皆に、とくに妊婦にとって必要な情報であると考えます。

3.その疾患を生きている当事者の生活を知る機会を提供してください
「報告書」は21頁「Ⅷ 医療、福祉等のサポート体制」で、障害をもつ子の暮らしぶりや成長過程、家族との関わりに関する情報が、国民の間に浸透することが重要であると指摘しています。
疾患の当事者がどのように考え、どのような生活を送っているのかは、親のそれよりもさらに知られる機会が少ないものです。一般の人たちはもちろんのこと、産科医をはじめとする医療専門職にも必要でありながら、ほとんど届いていません。当事者団体との連携によって、妊婦も医療者も、具体的に知る機会が得られるようにしてください。成長して就業し、社会生活を送る当事者の姿も伝えて欲しいです。
 

労働省による、2021年6月15日「出生前検査及び流産死産のグリーフケアに関する自治体説明会」” 厚生労働省による「出生前検査及び流産死産のグリーフケアに関する自治体説明会」(2021年6月15日)資料、「18トリソミーの子どもと家族」、「21トリソミーのある方のくらし」は、2.と3.の参考になると考えます。

4.その地域で使える子育ての情報を提供してください
各地域で、疾患のある子どもの具体的な子育て支援の情報を得られるようにしてください。行政や医療機関、福祉施設が行う支援の他、民間団体によるサポートも、伝えてください。
妊婦さんたちへの情報提供は、ホームページへの掲載、リーフレットの配布等で行うとありますが、全国一律ではなく、地域における情報があることは大切です。当事者団体、親の会などの連携が必要で、「出生前検査認証制度等運営機構」に患者当事者団体が参画することを、この点でも活かしてください。

5.障害をもって生まれることへの差別をなくす教育に、取り組んでください
「報告書」には「Ⅺ その他の論点(今後の課題等)」の5で、学校教育段階での若年層への情報提供・啓発が、あげられています。かつて保健や生物の教科書等に、障害者が子どもをもつこと、障害のある子どもが生まれることに否定的な記述がなされており、大きな影響を与えました。
妊娠・出産する年齢になる以前に、学校教育でどのような情報が提供されるのかは非常に重要です。次のようなことは、小学校から伝えてほしいと思います。
すべての妊娠で障害のある子どもが生まれる可能性があるという、科学的な事実。障害のない子どもを産み育てるのがよい妻・母であるという、女性に対する偏見とプレッシャーを取り除く情報。障害者の権利を保障する条約の存在。すべてのカップルと個人に性と生殖に関わる健康と権利があり、子どもの数、出産間隔、出産する時を、責任をもって自由に決定してよいこと。そのための情報と手段を得ることは人権の一部であること。この権利を成り立たせる上で、障害のある人の家族形成、障害をもって生まれた子どもを育てる社会的サービスが必要であることを、明確に伝えて下さい。

この課題は文部科学省と連携して取り組む必要があります。厚生労働省から働きかけをして下さい。

6.NIPT を実施する医療施設の認証制度は、早急に立ち上げてください
NIPT を実施する医療施設の認証制度は、早急に運用されることが必要と考えます。現在も、認可外施設で十分な情報が得られないまま検査を受ける妊婦さんがいます。認証制度が運用されるまでの間も、その妊婦さんたちに、「報告書」にもとづいて、また私たちの要望を含めた情報が届くよう、対策を講じて下さい。

7.「出生前検査認証制度等運営機構」に女性の参画をもとめます
  「運営機構」に参画する、当事者団体をはじめとする各分野の構成員に、女性が多数含まれるべきです。オブザーバーではなく、意思決定に関与できる形での参画をもとめます。
妊娠・出産・育児を女性の役割とみなすのは間違いで、女性と男性両方がともに取り組む問題です。しかし現状では女性は、男性よりも多くの責任を負わされています。そして女性は、自身の身体で妊娠・出産を引き受けます。子どもをもちたいと考える多くの女性は、プレッシャーを受けずに、生まれる子をありのままに育てたいと願っています。女性の声は「運営機構」においても反映されるべきと考えます。

8.女性健康支援センター事業のあり方に、専門委員会は提言をして下さい
子ども家庭局母子保健課と障害保健福祉部障害福祉課は、今年6 月9 日に、地方自治体の母子保健主管部と障害保健福祉主管部に、「出生前検査に対する見解・支援体制について」を発出しました。
その「2.地方自治体において活用可能な予算事業等」で、女性健康支援センター事業の活用について書かれています。また、6月15日に開かれた「出生前検査及び流産死産のグリーフケアに関する自治体説明会」資料に、女性健康支援センター事業に今年度から「出生前遺伝学的検査(NIPT)を受けた妊婦等への相談支援体制の整備」が加えられたとあります。「報告書」にも、女性健康支援センター事業の活用が書かれています。
女性健康支援センター事業には、悩みを有する女性に対する相談指導、妊娠に悩む者に対する専任相談員の配置があります。相談員が受ける相談には、NIPT等の出生前検査を受ける前の女性の悩みが含まれる可能性があり、「相談支援体制の整備」は、すでに受けた妊婦だけではなく、あらゆる段階の妊婦の相談に対応できるようにすべきです。「相談指導を行う相談員の研修養成」も同様です。妊娠する以前から、NIPT等検査を受けたあとまでの幅広い女性に対して、相談に応じられる人の養成、研修であることが必要と考えます。

「報告書」は17頁で、妊娠の初期段階における情報提供を、出生前検査認証制度等運営機構がホームページ等を通じて発信するとともに、 市町村の母子保健窓口等においてリーフレットを配布する等の対応を行うとしています。
情報提供を担う人として、医師、保健師、助産師などが考えられますが、行政の窓口にいる人がリーフレットを配布したり、質問される場合もあるでしょう。どんな窓口で、誰からであっても、受け取る女性やカップルが「出生前検査を勧められている」「誰もが受ける検査だ」と誤解することがないように、「報告書」の基本的な考え方にもとづく情報提供がなされなければなりません。妊婦に接して情報提供を行う可能性のあるすべての人が、「ノーマライゼーションの理念を踏まえ、出生前検査をマススクリーニングとすることや、推奨することは厳に否定されるべき」を理解している必要があります。
「女性健康支援センター事業」における「出生前遺伝学的検査(NIPT)を受けた妊婦等への相談支援体制の整備」、「相談指導を行う相談員の研修養成」は、その点でも非常に重要です。女性健康支援センター事業を活用するとした専門委員会は、女性健康支援センター事業の適切なあり方を提言して下さい。

9.最後に
 「報告書」は、多くの重要な問題を提起しました。大事なのは、これを絵に描いた餅にしないことです。
医療、福祉、女性の健康支援、子育て支援、学校保健などの現場において、実践されなくては意味がありません。
「子母発0609第1号」には、次のようにあります。「妊娠・出産に関する包括的な支援の一環として、妊婦及びそのパートナーが正しい情報の提供を受け、適切な支援を得ながら意思決定を行っていくことができるよう、妊娠の初期段階において妊婦等へ誘導とならない形で、出生前検査に関する情報提供を行っていくこと」。これが行われるためには、現場で妊婦とパートナーに接し、情報提供を行うすべての人に、「ノーマライゼーションの理念を踏まえると(中略)出生前検査をマススクリーニングとして一律に実施することや、これを推奨することは、厳に否定されるべきである。」が理解されていなければなりません。情報提供に当たる人への研修が、どれほど大切であるか、認識してください。
同時に、妊婦及びそのパートナーの意思決定を可能とするには、生まれる子どもの障害の有無にかかわらず、歓迎と支援がある社会の仕組みが整備されていく必要があります。障害のある子の子育てが、そうでない場合に比べて不利であれば、それは意志決定への誘導として働くからです。

最初に書きましたとおり、私たちは、妊娠を継続しない決断を女性に迫る圧力になり得る検査のあり方に、反対する立場です。それでも、疾患や障害を「悪いもの」などと見なさない社会、そのような未来を願って、以上の要望を書きました。 
よろしくお願いいたします。
  
DPI女性障害者ネットワーク
東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5F
特定非営利活動法人 DPI 日本会議 気付

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DPI女性障害者ネットワークの規約・活動計算書

DPI女性障害者ネットワークの規約
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2010年度活動計算書(PDF)
2011年度活動計算書(PDF)
2012年度活動計算書(PDF)
2013年度活動計算書(PDF)
2014年度活動計算書(PDF)
2015年度活動計算書(PDF)
2016年度活動計算書(PDF)
2017年度活動計算書(PDF)
2018年度活動計算書
▽PDF▽ワード版テキスト

「グロー」及び「愛成会」での性暴力告発を受けての声明を公開します

DPI女性障害者ネットワークは、「「グロー」及び「愛成会」での性暴力告発を受けての声明」を2021年3月5日付でまとめましたので公開します。

「グロー」及び「愛成会」での性暴力告発を受けての声明
――福祉業界で起きている性暴力とハラスメントをなくすために

2021年3月5日
DPI女性障害者ネットワーク (代表・藤原久美子)

「社会福祉法人グロー」(滋賀県)および「社会福祉法人愛成会」(東京都)で働いてきた二人の女性が、グロー元理事長で愛成会元理事でもある北岡賢剛氏とグローに対し、長年にわたる性暴力とパワーハラスメントについての法的責任と損害賠償を求める裁判を起こした。今年1月14日、東京地裁で民事訴訟が始まっている。

すべての性暴力は、あらゆる人のあいだに起こるが、圧倒的に語られるのは、障害のない男性と女性のあいだでのこと。それも、女性が立ち上がらない限り、性暴力として認識されることはほとんどない。まして障害のある女性が、たとえ勇気をもって告発・提訴しようとしても、「証言が信用できない」などの理由で訴えが退けられたすえ、提訴にまでいきつかないことが多い。特に福祉の現場の中で障害のある女性が立ちあがることは、極めて困難である。そして、身体介助を必要とする障害のある女性が、介助のかたちで性暴力とハラスメントを受けた場合、その被害を語り、止めさせることはさらに困難である。

今回起こった福祉の現場での性暴力は、よいことをしている人たちのなかにまさかそんなことが起こるはずがないというような偏見が強固にあったために、そこに声を上げるには10年以上の時を要した。

私たちは、彼女たちがその偏見を超えて立ち上がってくれたこと、その勇気と変革への意思と行動に連帯してゆくことを決意した。

そして、この事件をきっかけに、障害のあるなし、性別や性的指向の違い、年齢の差異などのあらゆる違いを超えて、性差別が福祉業界のなかの構造的暴力であることを明らかにし、さらに、性暴力・性虐待の一掃のために、私たちの経験を基に変革を求めて語ることを宣言する。

今回の事件は、福祉業界における性暴力の氷山の一角でしかない。私たちはこの事件の告発を受けて、私たち障害のある女性の現実を明らかにする。

優生思想がはびこっている現代社会を生きる多くの女性にとってそうであるように、障害のある女性たちにとって「生きる」日々は、性的嫌がらせや性暴力に直面させられる日々であると言っても過言ではない。とくに隔離や排除に満ちた福祉の現場では、「障害のある女性の為に」という名目であらゆる暴力が起きてきた。
障害のある女性にとっては法律でさえ性と生殖への暴力として機能し続けてきたし、今もそうである。旧優生保護法がその典型であり、同法が改訂された後も、その優生思想は新型出生前診断などに反映されている。
私たちは性暴力のない社会作りのために、政治や行政の場に多くの女性、とくに障害のある女性やマイノリティの女性たちが参画し、自らの経験や知見を持って法や制度を変えていく必要があると考える。世界的にも遅れている女性の政治参加の促進を強く求める。

 介護・介助が必要となる重い障害を持つ女性にとっては、その中で起きる性暴力・性虐待等はさらに過酷だ。施設や在宅の中で介助や介護ということで起きている様々な性暴力はあまりにそれが日常と化しているので、それを意識化して告発に至るということはあり得ないことだった。それらを解決するために、私たちは隔離された生活からの自由をさらに求め続ける。地域での自立生活の中からも、性暴力の一掃を目指して活動する。
この事件によって福祉という現場に何が起こっているかが明らかになった。もっとも顕著な問題は、施設や在宅での、介助する側と受ける側の力の差だ。この力関係が性暴力・性虐待をつくりやすくするとともに、被害者が加害者を訴えることを困難にする。
そして、力関係を対等なものにする努力は、被害者になりやすい障害者にのみに任せられてきた。対等性、平等性を欠いた福祉の場で、全ての人に幸せな環境を作っていくことは全く不可能なことである。
③姿が美しいことが女性の価値であるかのような社会的差別・偏見も、性暴力の訴えを困難にする背景だ。男性が女性を値踏みするかのような主観的な美醜の価値観によって、女性は様々にランク付けされ、障害のある女性は多くの場合低いランクを与えられる。これは障害のある女性が自身を大切な存在として誇りをもつことを難しくする。そこに加害者がつけ込むとき、抵抗を困難にしている。
性暴力も姿の美のランク付けも、全ての女性に共通して降りかかっている問題だ。このたび提訴された事件が、障害のある女性と障害のない女性の連帯をさらに深め、性暴力の一掃にともに取り組むための出発点となるよう、手を取り合ってゆきたい。

男性中心主義社会では、男性たちは女性同士以上に男性らしさに縛られ、男性間の真の理解や共感、連帯も非常に乏しい。男性たちが、性暴力・性虐待・セクハラという差別的な行為について、自らが抱える問題として立ち向かってゆくなら、またそのために、男性同士がお互いの壮絶な孤独と孤立を超えてゆこうとするなら、女性たちは、とくに障害のある私たちは時に厳しく、そして勇気あるアライ(※)となってゆくことを諦めない。

※:社会的な立場が異なりながらも同じ価値観を持ち、同じ目標に向かっていく仲間、味方

 

■障害のある女性に対する差別がどのように過酷かの参考文献として紹介する

・女性の哀しみ—旧優生保護法、トリアージ、性暴力問題に通底するもの(安積遊歩寄稿)

掲載媒体「ミツイパブリッシング」2021年3月3日アクセス
https://mitsui-publishing.com/blog/20210215?fbclid=IwAR0H_Q0C–sHhCleycpkR_sI-2ECtkvCv7lnF0rRr5aOMZDTmldyc92uXoI

・『複合差別実態調査報告書 障害のある女性の生活の困難』
(DPI女性障害者ネットワーク) 2012年3月発行

・『抵抗の証 私は人形じゃない』(三井絹子)

・『神への告発』(箙田鶴子)

■DPI女性障害者ネットワーク ウェブサイト

https://dwnj.chobi.net

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行政主導によるトリアージのガイドライン化推進の撤回を求める要望書を提出しました

DPI女性障害者ネットワークは、「行政主導によるトリアージのガイドライン化推進の撤回を求める要望書」を2021年2月9日、杉並区長宛に出しました。

 

2021年2月9日
杉並区長                                         田中 良     様
DPI女性障害者ネットワーク
代表 藤原久美子

〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3-11-8武蔵野ビル5階 特定非営利活動法人DPI日本会議気付
電話:03-5282-3137 FAX:03-5282-0017
メール:dwnj@dpi-japan.org または dpiwomen@gmail.com
(ご連絡は電話等ではなく、メールアドレスにお願いいたします。)
Web: https://dwnj.chobi.net/

 

行政主導によるトリアージのガイドライン化推進の撤回を求める要望書

2021年1月11日の文春オンラインのインタビューで、田中区長のトリアージガイドライン化に言及した発言が事実であれば、私たちの不安と生きづらさを増幅させる虞を感じます。

私たち、DPI女性障害者ネットワークは、障害女性の自立促進と優生保護法の撤廃を目指して障害当事者女性が中心となって1986年に発足し、障害女性に影響を与える法律や制度、施策のあり方をめぐる国内外の様々な課題に取り組んできました。

2012年にかけては、障害者であることに加え女性であるために被る困難を可視化しようと、全国の仲間に呼びかけ事例を収集するとともに施策の検証を行い、「障害のある女性の生活の困難―複合差別実態調査 報告書」を発行しました。そこで明らかになったことは性的被害の多さや、経済的立場の弱さ、介助を利用することの脆弱性、性と生殖の権利が否定されがちであること、本人が希望するか否かにかかわらず、家事や育児、家族の介護やケアを期待される実情でした。障害女性が、障害者への差別と女性への差別を重ねて受けている、複合差別の実態が現れています。

私たちは、これまで、日常的にさまざまな困難を経験してきました。そして、東日本大震災などの大きな災害時には、その困難がより大きなものとなってのしかかってくることも経験しました。

私たちの社会には、障害がある人を劣る存在とみなす優生思想が存在しています。あからさまな優生思想に基づいていた「優生保護法」は、優生保護にかかわる条文を削除して「母体保護法」に変わりました。しかし、その後も、子どもが生まれる前に障害や病気等について調べる出生前診断が広がってきました。こうした技術の背後には、障害者は劣っており、産まれてこないほうがよいとする思想があると感じます。

そして、私たちは、優生思想が含まれている法律や政策、いのちの選別に反対し続けています。

新型コロナウイルスが感染拡大している今、私たちは、自分たちの命や生活が、後回しにされるのではないかという大きな不安を抱いています。特に障害のある女性、少女、セクシュアル・マイノリティなど、日常的に脆弱な立場にある人たちは、命の価値を低くされ、力をそがれる状況に置かれます。
例えば、ALSの女性は男性に比べ人工呼吸器を付ける割合が低いと言われています。( cf.「ALS患者におけるジェンダーと人工呼吸器の選択について」酒井美和、コア・エシックス (8)、171-181、2012)
性差別を背景にした男女の役割分業が、”家族のケアを担うのは女性だ”としてきたために、女性は、自らケアを受ける立場になることに否定的であることが一因と思われます。また、在宅療養を支える介助体制の不足や家族に頼れないためです。
しかし、上述したような、社会的背景がもたらす考えも「本人の意思」とされてしまう虞があります。
トリアージを行政の首長が発言することは、医療体制を拡充すべき行政の責任を回避し、ケアを受け生きている人々の主張を抑圧することにもつながるのではないでしょうか。

私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大が進行するなかで、あらためて、障害がある人、なかでも、脆弱な立場に置かれている障害のある女性たちの生活と権利が守られる社会を強く望む立場から、下記の要望を提出します。

杉並区長田中良氏に対する要望事項

  1. 優生思想を内包するいのちの選別をする考えを改めるとともに、これまでの発言を撤回すること。
  2. 東京都知事に提出した、優生思想やいのちの選別を助長する要望書を撤回すること。
  3. 行政が医師の判断に介入することはあってはならず、行政はむしろ、医師が患者本人やその家族の意思を最大限尊重して治療を行えるよう、医療の環境整備に力をそそぐこと。
  4. 救命医療を含めた医療において、障害、性別、または年齢に基づいて人々を除外または優先順位を下げる医療はあってはならず、すべての人々が差別なく検査と治療にアクセスできるようにすること。
  5. 新型コロナウイルスへの対応やそこからの復興に関わる政策討議の場には、必ず複合差別の視点を持った障害女性をはじめとする当事者を入れること。

 

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再び声を! ~コロナ禍での障害女性の経験 中間報告~

再び声を! ~コロナ禍での障害女性の経験 中間報告~

昨年6月1日にスタートした「コロナ禍障害女性の声」のメールフォームには現在21通のメールが寄せられています。ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染は第三波が猛威を振るい、二度目の緊急事態を迎えて、終息の目途どころか事態は深刻化しています。
医療現場の逼迫の中、再びトリアージの声が聞こえ、感染した場合の恐怖とともに、一般の医療さえまともに受けられるのか? さらなる不安がつのっています。
また、感染拡大がもたらした社会・経済的打撃ははかり知れず、これからの世界に多大な影響を及ぼしていくことは必至です。
障害女性、その他マイノリティーの立場にある人々の命や暮らしがこれ以上脅かされることがないよう、私たちは今後とも障害女性の声を集め、社会に訴え続けていきたいと考えています。
あらためて投稿を呼びかけるとともに、今まで寄せられた経験をご報告いたします。
メールフォームの投稿者は肢体不自由の方が多く、視覚障害、難病、精神、高次脳機能障害、その他障害が重複している女性もいました。
40歳代と50歳代が比較的多かったものの、20歳代から70歳以上と、幅広い年代の方から投稿がありました。
地域としては東京・大阪・愛知といった大都市のほか、東北、甲信越、四国地方からのメールもありました。
生きにくいと感じる経験は昨年の緊急事態宣言時に起こった物不足・三密に関わる介助やステイホームの問題・医療や情報アクセスへの不安、社会との関わりで感じる戸惑い等など、多様です。
コロナ禍で生きにくさを感じる障害女性は障害種別・年齢・地域を超えて存在しており、その悩みや不安も様々です。
そして寄せられた声は氷山の一角といえるのではないでしょうか。
つい最近ですが、会員の中で介助者が感染し、自身もPCR検査を受け、陰性でみんながホッとしましたが、ひたひたと感染の波がすぐそこまでやって来ているということを実感しています。

障害があり、女性であるために生きにくいと感じたご経験をぜひお寄せください。
また、この活動を多くの人にお知らせいただければありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

ここからは、DPI女性障害者ネットワークの会員とその周囲の障害女性、そして投稿された声を含め、コロナ禍の障害女性の生きにくさを具体的にご紹介します。

 

■コロナ禍障害女性の生きにくさの経験

[1]外出を自粛。自分のことよりも、介助者への感染が心配。自粛することは仕方がないが、期間がわからないことが辛い。(肢体不自由)

[2]お米がなくなって以前から利用しているネットスーパーで頼もうとしたが、買占めのあおりで店舗に回しているためかお米とロールペーパーは注文できず、職場の友人にガイドしてもらい昼休みに買いに行ってやっと手に入れた状況。(視覚障害)

[3]コロナの感染拡大の中、ヘルパーの家事援助の時間数が少し減らされた。調理をヘルパーに手伝ってもらい自分で作るのだが、時間数が減り、麺類が多くなった。(知的障害)

[4]副職で介助をしている介助者から「本職の会社から、副職でもしコロナ感染したら、即退職!」と言われたということで介助ができなくなったと告げられた。「コロナが落ち着いたら、また介助に入りたい」と言われたことは、救われた。(肢体不自由)

[5]治療において障害による心身の特性が理解されるか不安。障害によって、薬の効き方などが平均と異なる場合もある。医療を提供する側も体制が整わなくなったときに、そこまでの考慮がなされるか不安。(肢体不自由)

[6]今回のような病や、それに対する留意事項、診療機関の情報を入手するにも、情報アクセス面で困難が生じている。また、ようやく、緊急通報にも使える電話リレーサービスを公共インフラとする準備が進められているところだが、現状では、非常事態で緊急通報することにも制約が大きい。

自治体によっては、新型コロナウイルスに関する相談窓口として電話のみ、または電話とFAXのみで実施している。聴覚障害者も自宅にFAXを持たない人も多く、電話とFAXのみでは連絡することさえできない状況におかれる。すでにSNSによる窓口を設けている自治体もあり非常に重要な取組である。(聴覚障害)

[7]国による支援制度の情報がコロコロ変わってしまい、どれを信じてよいのかわからず、不安がとても大きい。(知的障害)

[8]子ども二人が保育園に通っている。自粛要請により、二か月弱家で見ていた。子どもを連れての外出が困難で、以前からヘルパーを頼んでいたが、感染の可能性が高くなると思い利用しなかった。家族の協力はあったが、毎日本当に大変だった。ヘルパーが必要な時に利用できないことは不便で残念だ。(肢体不自由)

[9]女性ヘルパーは家族の事情に左右されやすい。学校休校時にこどもの世話のためキャンセルが増えた。(肢体不自由)

[10]持病に伴う月経過多、月経困難症がある。トイレットペーパーと生理用品が入手困難になった二ヶ月間は、不安と衛生維持が出来なくなるかもしれない恐怖が続いた。2倍の出血量があるため購入制限をされると足りないが、障害を理由に優先手配されるわけでもない。

トイレットペーパー、ボックスティッシュ、ポケットティッシュがつき、しまいにはキッチンペーパーで代用したが血液が十分に取れず、肌がかぶれ、買いだめしている人たちのことを憎む気持ちが沸いた。毎日感染リスクを抑えるため除菌に励んでいるが、ノーマスクの人が近づいてくれば避けなければならないのはこちらの方。ヘルプマークを押し退けて近づいてくる人も相変わらず多い。(難病)

[11]感染リスクを口実に、2週間にわたってケア提供を止められた。居住地の自治体はそのようなことは認めていない。障害者はいつなんどき、介護事業者様のお気持ちしだいで何をされるかわからない存在だと思い知らされた。(肢体不自由)

[12]介助者の感染リスクが心配。知人の介助者が濃厚接触者となり、知人もその濃厚接触者として対応され、極力接触を防ぐため必要な支援も減らされたが、自分だったらと思うと本当に恐ろしい。(肢体不自由)

[13]濃厚接触を伴う介助を受けなければ生きていけないことで、介助者に負担を与えていることが切ない。三密の徹底が必須であれば介助してもらう自分は汚れたものであるかのように感じてしまう。(肢体不自由)

[14]ヘルパー派遣が最低限に限られる、公共施設の閉鎖、コミニュニティバスの運行停止等で、外出の機会が減った。一人での外出は三密を避けることも困難。(視覚障害)

[15]外に出なかったため鬱になり、ピア活動に出られなくなり、買物や入浴ができなくなった。(精神障害)

[16]買った物を代わりにショッピングバックに入れてもらえない店が増えた。(肢体不自由)

[17]雨の日、レインコートを着て電動車いすで歩いていたら、「障害者だから防護服を着ている」「コロナにかかってしまえ」と言われた。(肢体不自由)