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DPI女性障害者ネットワークの規約・活動計算書

DPI女性障害者ネットワークの規約
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2010年度活動計算書(PDF)
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「グロー」及び「愛成会」での性暴力告発を受けての声明を公開します

DPI女性障害者ネットワークは、「「グロー」及び「愛成会」での性暴力告発を受けての声明」を2021年3月5日付でまとめましたので公開します。

「グロー」及び「愛成会」での性暴力告発を受けての声明
――福祉業界で起きている性暴力とハラスメントをなくすために

2021年3月5日
DPI女性障害者ネットワーク (代表・藤原久美子)

「社会福祉法人グロー」(滋賀県)および「社会福祉法人愛成会」(東京都)で働いてきた二人の女性が、グロー元理事長で愛成会元理事でもある北岡賢剛氏とグローに対し、長年にわたる性暴力とパワーハラスメントについての法的責任と損害賠償を求める裁判を起こした。今年1月14日、東京地裁で民事訴訟が始まっている。

すべての性暴力は、あらゆる人のあいだに起こるが、圧倒的に語られるのは、障害のない男性と女性のあいだでのこと。それも、女性が立ち上がらない限り、性暴力として認識されることはほとんどない。まして障害のある女性が、たとえ勇気をもって告発・提訴しようとしても、「証言が信用できない」などの理由で訴えが退けられたすえ、提訴にまでいきつかないことが多い。特に福祉の現場の中で障害のある女性が立ちあがることは、極めて困難である。そして、身体介助を必要とする障害のある女性が、介助のかたちで性暴力とハラスメントを受けた場合、その被害を語り、止めさせることはさらに困難である。

今回起こった福祉の現場での性暴力は、よいことをしている人たちのなかにまさかそんなことが起こるはずがないというような偏見が強固にあったために、そこに声を上げるには10年以上の時を要した。

私たちは、彼女たちがその偏見を超えて立ち上がってくれたこと、その勇気と変革への意思と行動に連帯してゆくことを決意した。

そして、この事件をきっかけに、障害のあるなし、性別や性的指向の違い、年齢の差異などのあらゆる違いを超えて、性差別が福祉業界のなかの構造的暴力であることを明らかにし、さらに、性暴力・性虐待の一掃のために、私たちの経験を基に変革を求めて語ることを宣言する。

今回の事件は、福祉業界における性暴力の氷山の一角でしかない。私たちはこの事件の告発を受けて、私たち障害のある女性の現実を明らかにする。

優生思想がはびこっている現代社会を生きる多くの女性にとってそうであるように、障害のある女性たちにとって「生きる」日々は、性的嫌がらせや性暴力に直面させられる日々であると言っても過言ではない。とくに隔離や排除に満ちた福祉の現場では、「障害のある女性の為に」という名目であらゆる暴力が起きてきた。
障害のある女性にとっては法律でさえ性と生殖への暴力として機能し続けてきたし、今もそうである。旧優生保護法がその典型であり、同法が改訂された後も、その優生思想は新型出生前診断などに反映されている。
私たちは性暴力のない社会作りのために、政治や行政の場に多くの女性、とくに障害のある女性やマイノリティの女性たちが参画し、自らの経験や知見を持って法や制度を変えていく必要があると考える。世界的にも遅れている女性の政治参加の促進を強く求める。

 介護・介助が必要となる重い障害を持つ女性にとっては、その中で起きる性暴力・性虐待等はさらに過酷だ。施設や在宅の中で介助や介護ということで起きている様々な性暴力はあまりにそれが日常と化しているので、それを意識化して告発に至るということはあり得ないことだった。それらを解決するために、私たちは隔離された生活からの自由をさらに求め続ける。地域での自立生活の中からも、性暴力の一掃を目指して活動する。
この事件によって福祉という現場に何が起こっているかが明らかになった。もっとも顕著な問題は、施設や在宅での、介助する側と受ける側の力の差だ。この力関係が性暴力・性虐待をつくりやすくするとともに、被害者が加害者を訴えることを困難にする。
そして、力関係を対等なものにする努力は、被害者になりやすい障害者にのみに任せられてきた。対等性、平等性を欠いた福祉の場で、全ての人に幸せな環境を作っていくことは全く不可能なことである。
③姿が美しいことが女性の価値であるかのような社会的差別・偏見も、性暴力の訴えを困難にする背景だ。男性が女性を値踏みするかのような主観的な美醜の価値観によって、女性は様々にランク付けされ、障害のある女性は多くの場合低いランクを与えられる。これは障害のある女性が自身を大切な存在として誇りをもつことを難しくする。そこに加害者がつけ込むとき、抵抗を困難にしている。
性暴力も姿の美のランク付けも、全ての女性に共通して降りかかっている問題だ。このたび提訴された事件が、障害のある女性と障害のない女性の連帯をさらに深め、性暴力の一掃にともに取り組むための出発点となるよう、手を取り合ってゆきたい。

男性中心主義社会では、男性たちは女性同士以上に男性らしさに縛られ、男性間の真の理解や共感、連帯も非常に乏しい。男性たちが、性暴力・性虐待・セクハラという差別的な行為について、自らが抱える問題として立ち向かってゆくなら、またそのために、男性同士がお互いの壮絶な孤独と孤立を超えてゆこうとするなら、女性たちは、とくに障害のある私たちは時に厳しく、そして勇気あるアライ(※)となってゆくことを諦めない。

※:社会的な立場が異なりながらも同じ価値観を持ち、同じ目標に向かっていく仲間、味方

 

■障害のある女性に対する差別がどのように過酷かの参考文献として紹介する

・女性の哀しみ—旧優生保護法、トリアージ、性暴力問題に通底するもの(安積遊歩寄稿)

掲載媒体「ミツイパブリッシング」2021年3月3日アクセス
https://mitsui-publishing.com/blog/20210215?fbclid=IwAR0H_Q0C–sHhCleycpkR_sI-2ECtkvCv7lnF0rRr5aOMZDTmldyc92uXoI

・『複合差別実態調査報告書 障害のある女性の生活の困難』
(DPI女性障害者ネットワーク) 2012年3月発行

・『抵抗の証 私は人形じゃない』(三井絹子)

・『神への告発』(箙田鶴子)

■DPI女性障害者ネットワーク ウェブサイト

https://dwnj.chobi.net

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行政主導によるトリアージのガイドライン化推進の撤回を求める要望書を提出しました

DPI女性障害者ネットワークは、「行政主導によるトリアージのガイドライン化推進の撤回を求める要望書」を2021年2月9日、杉並区長宛に出しました。

 

2021年2月9日
杉並区長                                         田中 良     様
DPI女性障害者ネットワーク
代表 藤原久美子

〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3-11-8武蔵野ビル5階 特定非営利活動法人DPI日本会議気付
電話:03-5282-3137 FAX:03-5282-0017
メール:dwnj@dpi-japan.org または dpiwomen@gmail.com
(ご連絡は電話等ではなく、メールアドレスにお願いいたします。)
Web: https://dwnj.chobi.net/

 

行政主導によるトリアージのガイドライン化推進の撤回を求める要望書

2021年1月11日の文春オンラインのインタビューで、田中区長のトリアージガイドライン化に言及した発言が事実であれば、私たちの不安と生きづらさを増幅させる虞を感じます。

私たち、DPI女性障害者ネットワークは、障害女性の自立促進と優生保護法の撤廃を目指して障害当事者女性が中心となって1986年に発足し、障害女性に影響を与える法律や制度、施策のあり方をめぐる国内外の様々な課題に取り組んできました。

2012年にかけては、障害者であることに加え女性であるために被る困難を可視化しようと、全国の仲間に呼びかけ事例を収集するとともに施策の検証を行い、「障害のある女性の生活の困難―複合差別実態調査 報告書」を発行しました。そこで明らかになったことは性的被害の多さや、経済的立場の弱さ、介助を利用することの脆弱性、性と生殖の権利が否定されがちであること、本人が希望するか否かにかかわらず、家事や育児、家族の介護やケアを期待される実情でした。障害女性が、障害者への差別と女性への差別を重ねて受けている、複合差別の実態が現れています。

私たちは、これまで、日常的にさまざまな困難を経験してきました。そして、東日本大震災などの大きな災害時には、その困難がより大きなものとなってのしかかってくることも経験しました。

私たちの社会には、障害がある人を劣る存在とみなす優生思想が存在しています。あからさまな優生思想に基づいていた「優生保護法」は、優生保護にかかわる条文を削除して「母体保護法」に変わりました。しかし、その後も、子どもが生まれる前に障害や病気等について調べる出生前診断が広がってきました。こうした技術の背後には、障害者は劣っており、産まれてこないほうがよいとする思想があると感じます。

そして、私たちは、優生思想が含まれている法律や政策、いのちの選別に反対し続けています。

新型コロナウイルスが感染拡大している今、私たちは、自分たちの命や生活が、後回しにされるのではないかという大きな不安を抱いています。特に障害のある女性、少女、セクシュアル・マイノリティなど、日常的に脆弱な立場にある人たちは、命の価値を低くされ、力をそがれる状況に置かれます。
例えば、ALSの女性は男性に比べ人工呼吸器を付ける割合が低いと言われています。( cf.「ALS患者におけるジェンダーと人工呼吸器の選択について」酒井美和、コア・エシックス (8)、171-181、2012)
性差別を背景にした男女の役割分業が、”家族のケアを担うのは女性だ”としてきたために、女性は、自らケアを受ける立場になることに否定的であることが一因と思われます。また、在宅療養を支える介助体制の不足や家族に頼れないためです。
しかし、上述したような、社会的背景がもたらす考えも「本人の意思」とされてしまう虞があります。
トリアージを行政の首長が発言することは、医療体制を拡充すべき行政の責任を回避し、ケアを受け生きている人々の主張を抑圧することにもつながるのではないでしょうか。

私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大が進行するなかで、あらためて、障害がある人、なかでも、脆弱な立場に置かれている障害のある女性たちの生活と権利が守られる社会を強く望む立場から、下記の要望を提出します。

杉並区長田中良氏に対する要望事項

  1. 優生思想を内包するいのちの選別をする考えを改めるとともに、これまでの発言を撤回すること。
  2. 東京都知事に提出した、優生思想やいのちの選別を助長する要望書を撤回すること。
  3. 行政が医師の判断に介入することはあってはならず、行政はむしろ、医師が患者本人やその家族の意思を最大限尊重して治療を行えるよう、医療の環境整備に力をそそぐこと。
  4. 救命医療を含めた医療において、障害、性別、または年齢に基づいて人々を除外または優先順位を下げる医療はあってはならず、すべての人々が差別なく検査と治療にアクセスできるようにすること。
  5. 新型コロナウイルスへの対応やそこからの復興に関わる政策討議の場には、必ず複合差別の視点を持った障害女性をはじめとする当事者を入れること。

 

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再び声を! ~コロナ禍での障害女性の経験 中間報告~

再び声を! ~コロナ禍での障害女性の経験 中間報告~

昨年6月1日にスタートした「コロナ禍障害女性の声」のメールフォームには現在21通のメールが寄せられています。ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染は第三波が猛威を振るい、二度目の緊急事態を迎えて、終息の目途どころか事態は深刻化しています。
医療現場の逼迫の中、再びトリアージの声が聞こえ、感染した場合の恐怖とともに、一般の医療さえまともに受けられるのか? さらなる不安がつのっています。
また、感染拡大がもたらした社会・経済的打撃ははかり知れず、これからの世界に多大な影響を及ぼしていくことは必至です。
障害女性、その他マイノリティーの立場にある人々の命や暮らしがこれ以上脅かされることがないよう、私たちは今後とも障害女性の声を集め、社会に訴え続けていきたいと考えています。
あらためて投稿を呼びかけるとともに、今まで寄せられた経験をご報告いたします。
メールフォームの投稿者は肢体不自由の方が多く、視覚障害、難病、精神、高次脳機能障害、その他障害が重複している女性もいました。
40歳代と50歳代が比較的多かったものの、20歳代から70歳以上と、幅広い年代の方から投稿がありました。
地域としては東京・大阪・愛知といった大都市のほか、東北、甲信越、四国地方からのメールもありました。
生きにくいと感じる経験は昨年の緊急事態宣言時に起こった物不足・三密に関わる介助やステイホームの問題・医療や情報アクセスへの不安、社会との関わりで感じる戸惑い等など、多様です。
コロナ禍で生きにくさを感じる障害女性は障害種別・年齢・地域を超えて存在しており、その悩みや不安も様々です。
そして寄せられた声は氷山の一角といえるのではないでしょうか。
つい最近ですが、会員の中で介助者が感染し、自身もPCR検査を受け、陰性でみんながホッとしましたが、ひたひたと感染の波がすぐそこまでやって来ているということを実感しています。

障害があり、女性であるために生きにくいと感じたご経験をぜひお寄せください。
また、この活動を多くの人にお知らせいただければありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

ここからは、DPI女性障害者ネットワークの会員とその周囲の障害女性、そして投稿された声を含め、コロナ禍の障害女性の生きにくさを具体的にご紹介します。

 

■コロナ禍障害女性の生きにくさの経験

[1]外出を自粛。自分のことよりも、介助者への感染が心配。自粛することは仕方がないが、期間がわからないことが辛い。(肢体不自由)

[2]お米がなくなって以前から利用しているネットスーパーで頼もうとしたが、買占めのあおりで店舗に回しているためかお米とロールペーパーは注文できず、職場の友人にガイドしてもらい昼休みに買いに行ってやっと手に入れた状況。(視覚障害)

[3]コロナの感染拡大の中、ヘルパーの家事援助の時間数が少し減らされた。調理をヘルパーに手伝ってもらい自分で作るのだが、時間数が減り、麺類が多くなった。(知的障害)

[4]副職で介助をしている介助者から「本職の会社から、副職でもしコロナ感染したら、即退職!」と言われたということで介助ができなくなったと告げられた。「コロナが落ち着いたら、また介助に入りたい」と言われたことは、救われた。(肢体不自由)

[5]治療において障害による心身の特性が理解されるか不安。障害によって、薬の効き方などが平均と異なる場合もある。医療を提供する側も体制が整わなくなったときに、そこまでの考慮がなされるか不安。(肢体不自由)

[6]今回のような病や、それに対する留意事項、診療機関の情報を入手するにも、情報アクセス面で困難が生じている。また、ようやく、緊急通報にも使える電話リレーサービスを公共インフラとする準備が進められているところだが、現状では、非常事態で緊急通報することにも制約が大きい。

自治体によっては、新型コロナウイルスに関する相談窓口として電話のみ、または電話とFAXのみで実施している。聴覚障害者も自宅にFAXを持たない人も多く、電話とFAXのみでは連絡することさえできない状況におかれる。すでにSNSによる窓口を設けている自治体もあり非常に重要な取組である。(聴覚障害)

[7]国による支援制度の情報がコロコロ変わってしまい、どれを信じてよいのかわからず、不安がとても大きい。(知的障害)

[8]子ども二人が保育園に通っている。自粛要請により、二か月弱家で見ていた。子どもを連れての外出が困難で、以前からヘルパーを頼んでいたが、感染の可能性が高くなると思い利用しなかった。家族の協力はあったが、毎日本当に大変だった。ヘルパーが必要な時に利用できないことは不便で残念だ。(肢体不自由)

[9]女性ヘルパーは家族の事情に左右されやすい。学校休校時にこどもの世話のためキャンセルが増えた。(肢体不自由)

[10]持病に伴う月経過多、月経困難症がある。トイレットペーパーと生理用品が入手困難になった二ヶ月間は、不安と衛生維持が出来なくなるかもしれない恐怖が続いた。2倍の出血量があるため購入制限をされると足りないが、障害を理由に優先手配されるわけでもない。

トイレットペーパー、ボックスティッシュ、ポケットティッシュがつき、しまいにはキッチンペーパーで代用したが血液が十分に取れず、肌がかぶれ、買いだめしている人たちのことを憎む気持ちが沸いた。毎日感染リスクを抑えるため除菌に励んでいるが、ノーマスクの人が近づいてくれば避けなければならないのはこちらの方。ヘルプマークを押し退けて近づいてくる人も相変わらず多い。(難病)

[11]感染リスクを口実に、2週間にわたってケア提供を止められた。居住地の自治体はそのようなことは認めていない。障害者はいつなんどき、介護事業者様のお気持ちしだいで何をされるかわからない存在だと思い知らされた。(肢体不自由)

[12]介助者の感染リスクが心配。知人の介助者が濃厚接触者となり、知人もその濃厚接触者として対応され、極力接触を防ぐため必要な支援も減らされたが、自分だったらと思うと本当に恐ろしい。(肢体不自由)

[13]濃厚接触を伴う介助を受けなければ生きていけないことで、介助者に負担を与えていることが切ない。三密の徹底が必須であれば介助してもらう自分は汚れたものであるかのように感じてしまう。(肢体不自由)

[14]ヘルパー派遣が最低限に限られる、公共施設の閉鎖、コミニュニティバスの運行停止等で、外出の機会が減った。一人での外出は三密を避けることも困難。(視覚障害)

[15]外に出なかったため鬱になり、ピア活動に出られなくなり、買物や入浴ができなくなった。(精神障害)

[16]買った物を代わりにショッピングバックに入れてもらえない店が増えた。(肢体不自由)

[17]雨の日、レインコートを着て電動車いすで歩いていたら、「障害者だから防護服を着ている」「コロナにかかってしまえ」と言われた。(肢体不自由)

第5次男女共同参画基本計画素案についてパブリックコメントを出しました

2020年9月7日付

第5次男女共同参画基本計画素案について

DPI女性障害者ネットワークから提出したパブリックコメント

 

(1)該当分野:全体

意見:計画の基本的な方針に、「これからの男女共同参画に係る課題を、社会全体にとっては、「持続可能かつ国際社会の調和した経済社会の実現に不可欠な、一人一人の尊重、能力発揮、意思決定への参画」として、個人にとっては、「性別にとらわれることなく自らの選択によって長い人生を設計することができる環境の整備」として、2つに要約することができる(8p)」と書かれている。ここに障害のある女性の存在も含まれていると言えるだろうか。障害がある女性が、一人ひとり尊重され、力が発揮でき、意思決定に参画するためには、現状で、様々な壁がある。コロナ禍でもそうした課題がより一層見えてきている。そうした壁を取り除く、制度・政策を本気で進めてもらいたい。障害がある女性の権利の実現こそが、ジェンダー平等の実現につながる鍵となる。

そのためには、まず、4次計画の政策評価が不可欠だ。それがないために、4次計画の文言がそのまま繰り返されている箇所が散見される。障害者に関わる基本的な統計に関するジェンダー統計の整備も、4次計画でも示されながら、この間、進んでこなかった。障害者に関わる統計にジェンダー統計が示されないのは、障害者のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツの権利が保障されていないこととも関わっている。4次計画が実施されている間、旧優生保護法に関する国家賠償請求裁判が起こされ、社会的にも大きなニュースとなった。また、そうした流れを受け、強制不妊手術等の被害者への一時金支給法も作られた。障害をもつ女性たちのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツの課題は男女共同参画の実現にとって不可欠の課題であり、今回作られる計画には、こうした歴史の振り返りや反省も書き込むべきだ。

また、先に行われた第5次計画に関するオンライン公聴会では、手話通訳は実施されたが文字通訳(字幕)は実施されなかった。内閣府障害者政策委員会では、手話通訳と同時に文字通訳も実施されている。手話通訳と同時に文字通訳を実施すること、また、知的障害がある人に向けたわかりやすい説明の実施を求める。このパブリックコメント募集における素案文書も意見記入様式も、テキストデータによる提供がされておらず、視覚障害がある人が意見を提出しにくいなどの問題がある。様々な人が意見を出せるような方法での意見聴取を実施してもらいたい。

 

(2)該当分野:第2部 II 第5分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶

意見:「基本認識」に「被害者支援に当たっては、暴力の形態や被害者の属性等にきめ細かく対応する視点が不可欠である」とあるが、であるならば、相談・支援の各段階で合理的配慮が必要な人への支援体制、使える制度を作り、明示していくことが必要ではないか。

 

(3)該当分野:第2部 II 第6分野 男女共同参画の視点に立った貧困等生活上の困難に対する支援と多様性を尊重する環境の整備

意見:・第6分野の障害者が安心して暮らせる環境の整備の部分は、障害者関係法が羅列してあるだけだ。ここには、男女共同参画の推進の問題に特化した記載をしてもらいたい。

・障害者に関わるジェンダー統計について第4次計画と変わらない書き方になっている。 この5年間で何ができて、残る課題が何かを明示し、実際にどう変えていくのかを書くべきだ。現状では、障害者に関わる基本的な統計でジェンダー統計が欠如している。例えば学校基本調査において、障害のある児童生徒の性別統計は一部のみで、障害別の集計がほとんどである。障害者雇用促進法に基づく年次報告様式には、性別欄が設けられていない。

 

(4)該当分野:第2部 II 第7分野 生涯を通じた女性の健康支援

意見:・優生保護法をめぐって、この5年の間に大きな動きがあり、新法(一時金支給法)が作られている。この間の優生保護法に関する動き、新法成立のことについても、計画に書くべきだ。

・障害のある女性含む女性たちのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツという観点で考えたときに、様々課題がある。特に、性教育については、この間、七生養護学校での性教育への政治介入があったことに端を発し、取組への抑制がかかった状況が続いていると言えるのではないか。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツの実現のためにも、体系的な性教育の実施が不可欠だ。

・同時に、出生前診断の広がりのなかで、障害を理由とする選択的中絶が広がることへの危惧がある。

 

(5)該当分野:第2部 III 第9分野 男女共同参画の視点に立った各種制度等の整備

意見:「1 男女共同参画の視点に立った各種制度等の見直し、イ 男女の多様な選択を可能とする育児・介護の支援基盤の整備」に、障害者施設の整備という文言が出てくる。これは、介護(介助)する側の負担軽減をいかに進めるか、という点に重点が置かれており違和感がある。性別・年齢・障害のいかんにかかわらず、介護を受けることは権利であり、介護を必要としている人が、当たり前に、介護・介助が保障された状態で暮らす権利がある。そのための介護保障制度の充実が必要だ。また、どこで誰と暮らすかを本人が決めることも権利だ。障害者は施設にという発想に囚われず、多様な選択が可能な制度の充実を求める。

 

◆障害女性の課題をメインストリームに!カンパを募集しています◆

障害女性の複合差別は、女性であり障害者であることから、いろいろな要素が複雑に絡み合っておこるため、見えにくく、少しずつ知られるようになってきた課題です。

障害者基本法、障害者差別解消法といった日本の法律には、「性別」の文字はあるものの、教育・雇用・収入・相談・防災などに存在する性別格差はなかなか直視されず、格差をなくす政策も進んできませんでした。政策の実施に欠かせないことは、法律に、障害女性等の複合差別の解消課題が明記されることです。そして、法律・政策・実態調査について決めていくときに、そこに当事者として障害女性が参画している状態をつくることです。

DPI女性障害者ネットワークは、個人をつなぐゆるやかなネットワークで、障害の違いを越えて、障害女性のエンパワメントに取り組んでいます。情報を集め、国内の法律や政策に提言し、国際会議でも発言してきました。2011年に障害女性の複合差別実態調査を行い、今は「新型コロナウイルス感染拡大の中で困ったこと、嫌だったこと、不安なこと、あなたの経験をお寄せください」というアンケート調査をしています。

視覚障害がある人のガイドヘルプ、聴覚障害がある人と情報や議論を共有する情報保障、翻訳、通訳、調査、広報など、必要な費用は大きくなっています。日常の取組から海外派遣までの資金も支えていけるように、法律から変えていき障害女性の複合的な困難を解決していけるように、あなたの力をぜひお貸しください。

〈裏面〉

国連の日本政府に対する審査と、女性障害者ネットのロビイング

私たちは、国連の委員会にメンバーを派遣してきました。2015年と2016年には女性差別撤廃条約の委員会に、2019年には、障害者権利条約の委員会に、障害女性とそのサポーターがジュネーブへと向かったのです。派遣にあたりご協力を呼びかけたところ、皆さまからカンパをお寄せ頂き、その熱い思いを胸にロビイングを行うことができました。ありがとうございました!おかげさまで、 私たちの思いに委員たちはとても熱心に耳を傾けてくれました。

その結果、2016年3月に女性差別撤廃委員会が日本政府に出した勧告に、優生保護法被害者の調査や謝罪、補償を求めることが入りました。これが、優生保護法問題が大きく動くひとつのきっかけとなったのです。

2019年の障害者権利委員会は、日本政府に、障害女性の複合差別について、また、強制不妊手術被害者の7割が女性だった優生保護法について質問を出しました。これらの質問に日本政府は回答し、国連はこれを審査します。2014年に障害者権利条約を批准した日本にとって初の審査で、2021年に開催予定です。政府が今後、障害者権利条約をどう履行するのか、重要な意味を持ちます。私たち市民の側からも、国連にレポートを出すべく準備をしているところです。新型コロナの影響で審査がどのような形になるとしても、私たちの活動とその費用は必要になります。ジュネーブに渡航できるならばその旅費、行くことができない場合も国内でのロビイングは重要となるでしょう。

なぜ、国連にもロビイングが必要?

障害者権利条約には障害女性の複合差別に関する第6条(*)があり、大変重視されています。

しかし、第6条があるから複合差別の課題が常に意識されるわけではありません。特に日本はジェンダーギャップ指数が、159カ国中121位と、前年度から更に順位を下げたように、性差別解消への取組は乏しいのです。障害女性への差別にも関わるので、障害者権利委員会と女性差別撤廃委員会、両方に働きかけが必要でした。国連機関からの勧告は国内の課題を大きく動かすものなので、複合差別を身をもって知る障害女性が訴えていくことがとても大切なのです。

お寄せくださるカンパで、私たちはロビイングを続けることができます。

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カンパの送り先
郵便振替口座
口座番号 00100-3-451127
加入者名 DPI女性障害者ネットワーク
*振込用紙の通信欄には「カンパ」とご記入をよろしくお願いします。

ゆうちょ銀行
名義 ディーピーアイジョセイショウガイシャネットワーク
ア)ゆうちょ銀行からのお振込の場合
(記号)10170(番号)44556521
イ)ゆうちょ銀行以外からのお振込の場合
(店名)〇一八(読み ゼロイチハチ)
(店番)018(預金種目)普通預金(口座番号)4455652
*ゆうちょ銀行にご送金の場合、メール題名を「カンパ」としてご一報をお願いします。
*恐縮ですが、上記いずれの場合も、振込手数料はご負担下さい。

 

 

「障害のある女性の生活の困難
―人生の中で出会う複合的な生きにくさとは―複合差別実態調査報告書」

障害のある女性の生活の困難 ―人生の中で出会う複合的な生きにくさとは― 複合差別実態調査報告書

ご関心ある方はお問い合わせください!

 

*障害者権利条約第6条「障害のある女性」

1    締約国は、障害のある女性及び少女が複合的な差別を受けていることを認識し、また、これに関しては、障害のある女性及び少女がすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置をとる。

2    締約国は、この条約に定める人権及び基本的自由の行使及び享有を女性に保障することを目的として、女性の完全な発展、地位の向上及びエンパワーメントを確保するためのすべての適切な措置をとる。

障害のある人の権利に関する条約  川島聡=長瀬修仮訳(2008年5月30日付)より

私たちの活動を手伝っていただけないでしょうか~ボランティア募集!~

DPI女性障害者ネットワークは、1986年 障害女性の自立促進と優生保護法撤廃を目指してスタートしました。優生保護法が母体保護法に改正された後、一時活動を休止していましたが2007年、DPI世界会議韓国大会を機に再始動しました。

肢体不自由、聴覚、視覚、精神などの障害女性が集まり、障害者差別と女性差別を重複する複合差別解消の課題に取り組んでいます。
私たちは日々様々な活動を行なっています。
おおむね月一回の定例会開催や他団体への会議出席、集会の実施と運営、学習会の講師等など動き回っています。
ですが私たちには障害のため、これらの活動を行なうことに多くの困難が付きまといます。

今まで支援者を募り、努力と工夫で乗り切ってきましたが、お手伝いしてくださる人の輪を広げれば、過度な負担を避けながら持続的で幅の広い活動をさらに展開できるのではと考えました。
お手伝いしていただきたいこととしては視覚障害や肢体不自由のあるメンバーの移動の手助け、会議室の会場設営、スカイプやDVDの機材操作等などです。
主に東京近辺の活動のお手伝いとなりますが、それ以外でもお願いすることがあるかも知れません。

お手伝いをしながら私たちの活動を知っていただけたら幸いです。
複合差別を研究している大学生、院生の方はもちろん、障害者運動、女性運動に関心のある方々、大歓迎です。

まずは私たちの活動を見学してみませんか?
ご関心のある方はメールでご一報ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

ボランティア担当 佐々木 貞子

E-mail dwnj★dpi-japan.org または dpiwomen★gmail.com(★→@)

新型コロナウイルス感染拡大の中で困ったこと、嫌だったこと、不安なこと、あなたの経験をお寄せください

私たち、障害女性(性は自認にもとづく)は、これまで、障害者であり女性であるためにさまざまな困難を経験してきました。東日本大震災などの大きな災害時には、その問題がより大きくなることも実感してきました。普段から社会のひずみを受けやすい、障害女性の困難は、社会的危機や変動の下で、さらに増幅し、私たちにのしかかってくるのです。

さて、新型コロナウイルス感染はいまだ収束の道筋が見えず、短期の非常事態から一定の長期戦を覚悟する必要に迫られています。さらに社会の隅々まで影響を与えていくことになるでしょう。このような状況から、DPI女性障害者ネットワークは障害女性が感じる生きにくさの現状を、「コロナ禍/障害女性の声」として、幅広く集めていきたいと、受付フォームと専用のメールアドレスを開設しました。医療や介助、情報、就労、家族関係等々、この間感じている問題や不安があれば、その経験やご意見をお伝えいただけないでしょうか?

微力な私たちは困っている経験をうかがっても直接支援できるわけではありません。ただ、その声を聴き、ともに考え、障害女性の複合的困難を解消するための施策提言や社会啓発に生かせていけたらと願っています。「今は誰もが大変な時だから」「我慢しさえすれば・・・」とあきらめる前に、「理不尽!」と思うことがあれば、ぜひその経験をお寄せください。いただいた個人情報は厳守し、仮に公表する場合は本人のご了解を得た上で匿名にて行いたいと考えております。

上記の趣旨をご理解いただき、ご協力いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

・困ったこと・不安に感じたこと・嫌だったこと等々、ご経験やご意見を具体的にお書きください。
※何らかの理由で障害のある女性自身が記入できない場合、本人承諾のうえで、直接見聞きした方が記入し、代理投稿と明記してください。

メールフォームはこちら

また、メールでご送信の場合は、voice.wdjp@gmail.com(障害女性の声専用メールアドレス)に下記の内容を記入の上、ご送信ください。

ここから

※メールの題名は「コロナ禍/障害女性の声」として下さい。

コロナ禍/障害女性の声

・お名前 (仮名でも結構です)
・メールアドレス (必須)
・電話番号
・FAX番号

・障害種別について

肢体障害、視覚障害、聴覚障害、言語障害、内部障害、精神障害、発達障害、知的障害、慢性疾患/難病 その他 のなかから選んでお書きください。その他の場合は、差支えのない範囲で、障害名や症状をお書きください。 複数回答も可能です。

・ 年齢(年代)
○○歳代

・お住いの都道府県

・困ったこと・不安に感じたこと・嫌だったこと等々、ご経験やご意見を具体的にお書きください。

ここまで

◆ご支援のおねがい◆

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郵便振替口座を2016年10月に開設しました。
郵便局備え付けの払込用紙をご利用いただけます。

◆郵便振替口座
口座番号 00100-3-451127
加入者名   DPI女性障害者ネットワーク
振込手数料はご負担下さい。
払込用紙の通信欄にはご送金の内訳についてご記入をよろしくお願いいたします。

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ア)ゆうちょ銀行からのお振込の場合
(記号)10170
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(名義)ディーピーアイジョセイショウガイシャネットワーク

イ)ゆうちょ銀行以外からのお振込の場合
(店名)〇一八(読み ゼロイチハチ)
(店番)018
(預金種目)普通預金
(口座番号)4455652
(名義)ディーピーアイジョセイショウガイシャネットワーク
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